好きな本を紹介する話(すみれの花の砂糖づけ)
毎日書く、と決めたものの、それとちょうど同じ時期に仕事がかなり忙しくなり。
ネタをしっかり詰めないで、こういう風にラフに本の紹介とかいいかもしれない。
ということで、本を紹介シリーズ。
江國香織ーすみれの花の砂糖づけ
すみれの花の砂糖づけをたべると
私はたちまち少女にもどる
だれのものでもなかったあたし
最初に出会ったのはこの一文だった。twitterで誰かが引用していて、一気に興味が湧いた。
すみれの花の砂糖づけってなんだろう
なぜ少女にもどるのだろう
だれのものでもなかった、とは、それこそうら若き純粋無垢な少女の表現なのだろうか
気になって気になって、思わずamazonで購入した。
江國さんの作品はここからたくさん読むことになるのだが、とにかく読みやすい。この詩集も時折読み返すけれど1時間もかからない。江國さんの作品を読むと、初夏の木漏れ日の中でそよ風を感じるような、ただ海でぼーっとしているような、夜に空をぼんやり見つめているような、そんななんとも言えない充足感がある。
すみれの花の砂糖づけは、ちょっとほろ苦さを残した幸福。甘いようで儚くて、大人なようで少女な詩集だった。
ぜひおすすめしたいから、ここで詳しく書くのはやめる。
最近twitterで#zine大作戦という、紡がれる言葉にデザインをつける企画をやっているが、この企画でお世話になっているenpitsuさんもこの文体だ。(とは言えenpitsuさんは男性なので大人少女などは語弊があるが)
どこか甘いけど、どこか儚くて、優しい気持ちにさせてくれる。
江國さんと合わせて、#zine大作戦の言葉達もぜひ見て欲しい。