好きな本を紹介する話(すみれの花の砂糖づけ)

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毎日書く、と決めたものの、それとちょうど同じ時期に仕事がかなり忙しくなり。
ネタをしっかり詰めないで、こういう風にラフに本の紹介とかいいかもしれない。

ということで、本を紹介シリーズ。

江國香織すみれの花の砂糖づけ

すみれの花の砂糖づけをたべると

私はたちまち少女にもどる

だれのものでもなかったあたし

 最初に出会ったのはこの一文だった。twitterで誰かが引用していて、一気に興味が湧いた。

すみれの花の砂糖づけってなんだろう
なぜ少女にもどるのだろう
だれのものでもなかった、とは、それこそうら若き純粋無垢な少女の表現なのだろうか

気になって気になって、思わずamazonで購入した。

江國さんの作品はここからたくさん読むことになるのだが、とにかく読みやすい。この詩集も時折読み返すけれど1時間もかからない。江國さんの作品を読むと、初夏の木漏れ日の中でそよ風を感じるような、ただ海でぼーっとしているような、夜に空をぼんやり見つめているような、そんななんとも言えない充足感がある。

すみれの花の砂糖づけは、ちょっとほろ苦さを残した幸福。甘いようで儚くて、大人なようで少女な詩集だった。
ぜひおすすめしたいから、ここで詳しく書くのはやめる。

 

すみれの花の砂糖づけ (新潮文庫)

すみれの花の砂糖づけ (新潮文庫)

  • 作者:江國 香織
  • 発売日: 2002/11/28
  • メディア: 文庫
 

 

最近twitterで#zine大作戦という、紡がれる言葉にデザインをつける企画をやっているが、この企画でお世話になっているenpitsuさんもこの文体だ。(とは言えenpitsuさんは男性なので大人少女などは語弊があるが)

どこか甘いけど、どこか儚くて、優しい気持ちにさせてくれる。

江國さんと合わせて、#zine大作戦の言葉達もぜひ見て欲しい。